所長ブログ
2019年7月20日 土曜日
相続登記を放置するもう一つのリスク
前回のブログでは、相続登記を早くする必要性についてお話しました。
今回は、その補足として相続登記を放置していた場合に発生するリスクについてお話します。
むしろこちらのリスクの方が重要かも知れません。
相続が発生して遺言書がない場合、多くは遺産分割を行います。
例えば、Xが死亡して、その相続人がAとBだとします。また、相続財産は不動産と預貯金だとします。
遺産分割協議が成立して、不動産はA、預貯金はBが取得することとなりました。
預貯金について、Bは金融機関で直ぐに手続きを行いました。
しかし、不動産について、Aは登記をせずにそのまま放置していました。(どうやらBはお金に困っていたらしく、遺産分割もB主導でおこなわれました。)
数年後、Aがその不動産を売却しようと思い不動産屋に行くと、何と知りもしないYの登記がされていました。
よく見ると、Bが勝手にB単独所有の相続の登記をしてこれを第三者Yへ売却していたのです。(お金に困っていたBは不動産にも手を付けたのです。)
この場合、Aは第三者へAの法定相続分についてだけ主張できますが、それ以上については主張できません。
解決するには、協議をするか裁判にするか、お金と時間がかかることになります。
いずれにしても、Aにとっても、Yにとっても、本当に迷惑な話なのです。
Aは遺産分割協議が成立した時点で、直ぐに登記をしておくべきでした。
登記を放置するとこんなリスクがあるのです。
今回は、その補足として相続登記を放置していた場合に発生するリスクについてお話します。
むしろこちらのリスクの方が重要かも知れません。
相続が発生して遺言書がない場合、多くは遺産分割を行います。
例えば、Xが死亡して、その相続人がAとBだとします。また、相続財産は不動産と預貯金だとします。
遺産分割協議が成立して、不動産はA、預貯金はBが取得することとなりました。
預貯金について、Bは金融機関で直ぐに手続きを行いました。
しかし、不動産について、Aは登記をせずにそのまま放置していました。(どうやらBはお金に困っていたらしく、遺産分割もB主導でおこなわれました。)
数年後、Aがその不動産を売却しようと思い不動産屋に行くと、何と知りもしないYの登記がされていました。
よく見ると、Bが勝手にB単独所有の相続の登記をしてこれを第三者Yへ売却していたのです。(お金に困っていたBは不動産にも手を付けたのです。)
この場合、Aは第三者へAの法定相続分についてだけ主張できますが、それ以上については主張できません。
解決するには、協議をするか裁判にするか、お金と時間がかかることになります。
いずれにしても、Aにとっても、Yにとっても、本当に迷惑な話なのです。
Aは遺産分割協議が成立した時点で、直ぐに登記をしておくべきでした。
登記を放置するとこんなリスクがあるのです。
投稿者 司法書士塩﨑事務所 | 記事URL
2019年7月13日 土曜日
相続登記はお早めに
ご親族が亡くなられた際、
葬儀が終わり、保険、年金及び税金等の手続き等が終わり、預金も殆どないので特に揉めることもなく(少々のワダカマリが残るのは別として・・・)、後は不動産だけが残るケースはよくあります。
「まぁ、急ぐ訳でもないのでそのままにしておこう・・・」
「まぁ、お金もかかるし、放置しても問題ないだろう。」
相続財産が相続税の基礎控除以下で相続税がかかならない場合、このように考えられる方は少なからずいらっしゃいます。
果たしてこれでいいのでしょうか。
答えは、ノーです。
理由は、3つあります。
①戸籍等資料の収集が困難になる。
役所での保存期間の経過により、資料の廃棄される場合があるからです。
②親族間の話し合いが困難になる。
亡くなった方の相続人がその後亡くなった場合(相続の相続が発生)、その相続人が話し合いのテーブルにつかなければなりません。例えば、兄弟での話し合いの筈が、甥姪との話し合い、従姉妹らとの話し合いになるかも知れません。関係者が増えれば、それだけ主張も増え、手続きが増えてしまいます(裁判に発展することもあります。)。
③相続登記の義務化が進められている。
現在、国は相続登記を義務化に関連した法案を提出する準備を進めています。放置することが費用の増加につながります。
以上から、相続登記を早めに済ませることは、結局は費用の節約に繋がる大事なことなのです。
相続登記はお早めに。
葬儀が終わり、保険、年金及び税金等の手続き等が終わり、預金も殆どないので特に揉めることもなく(少々のワダカマリが残るのは別として・・・)、後は不動産だけが残るケースはよくあります。
「まぁ、急ぐ訳でもないのでそのままにしておこう・・・」
「まぁ、お金もかかるし、放置しても問題ないだろう。」
相続財産が相続税の基礎控除以下で相続税がかかならない場合、このように考えられる方は少なからずいらっしゃいます。
果たしてこれでいいのでしょうか。
答えは、ノーです。
理由は、3つあります。
①戸籍等資料の収集が困難になる。
役所での保存期間の経過により、資料の廃棄される場合があるからです。
②親族間の話し合いが困難になる。
亡くなった方の相続人がその後亡くなった場合(相続の相続が発生)、その相続人が話し合いのテーブルにつかなければなりません。例えば、兄弟での話し合いの筈が、甥姪との話し合い、従姉妹らとの話し合いになるかも知れません。関係者が増えれば、それだけ主張も増え、手続きが増えてしまいます(裁判に発展することもあります。)。
③相続登記の義務化が進められている。
現在、国は相続登記を義務化に関連した法案を提出する準備を進めています。放置することが費用の増加につながります。
以上から、相続登記を早めに済ませることは、結局は費用の節約に繋がる大事なことなのです。
相続登記はお早めに。
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2019年5月26日 日曜日
成年被後見人への事前通知~極めてレアケース
先日、次のような登記をしたので、忘備録として掲載しておきます。
前提条件
登記原因 混同
登記義務者 成年被後見人
登記権利者 成年被後見人
申請人 成年後見人
登記識別情報を失念
この場合で、登記申請を成年後見人からするときは、本人確認情報は使えないので、事前通知となります。
たとえ、成年後見人が司法書士であっても結論は同じです。
(司法書士であれば、ゆっくり考えると分かります。)
決済では事前通知は採用されないので、事前に登記を済ませておく必要があります。
登記は不意打ち的に難しい落とし穴があるので要注意ですね。
前提条件
登記原因 混同
登記義務者 成年被後見人
登記権利者 成年被後見人
申請人 成年後見人
登記識別情報を失念
この場合で、登記申請を成年後見人からするときは、本人確認情報は使えないので、事前通知となります。
たとえ、成年後見人が司法書士であっても結論は同じです。
(司法書士であれば、ゆっくり考えると分かります。)
決済では事前通知は採用されないので、事前に登記を済ませておく必要があります。
登記は不意打ち的に難しい落とし穴があるので要注意ですね。
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2018年12月13日 木曜日
離婚に伴う財産分与の日付
離婚に伴い財産分与をする場合、注意しなければならないのが税金の問題。
その中で、財産を分与した側にかかる税金である譲渡所得税について考えてみます。
財産分与した側は、時価で譲渡したとみなされて、譲渡所得税が課税されます。
ただし、この譲渡所得税は、居住用財産譲渡の特例を使うと、譲渡所得から3000万円の控除ができます。
もちろん、その適用のためにはいろんな要件が必要なのですが、その内の一つとして、財産分与した際、当事者が夫婦ではなく「他人同士」でなければなりません。というものがあります。
つまり、離婚届を提出した後に(他人になってから)財産分与をしなければ、3000万円の控除の適用はできないということです。
(離婚届を出す前に、財産分与の登記などは決してしないでください!)
では、離婚届を出した日付けと、財産分与をした日付けが同日であればどうでしょうか?
答えは「適用できる。」です(財産分与の約束をしてから離婚届を提出した場合など、必然的に同日になりますよね。)。
実際税務署は、事実関係を重要視するので、離婚したことによって財産分与されていれば適用されているようです。
以上一般論なので、実際には税務署等に確認してみてください。
その中で、財産を分与した側にかかる税金である譲渡所得税について考えてみます。
財産分与した側は、時価で譲渡したとみなされて、譲渡所得税が課税されます。
ただし、この譲渡所得税は、居住用財産譲渡の特例を使うと、譲渡所得から3000万円の控除ができます。
もちろん、その適用のためにはいろんな要件が必要なのですが、その内の一つとして、財産分与した際、当事者が夫婦ではなく「他人同士」でなければなりません。というものがあります。
つまり、離婚届を提出した後に(他人になってから)財産分与をしなければ、3000万円の控除の適用はできないということです。
(離婚届を出す前に、財産分与の登記などは決してしないでください!)
では、離婚届を出した日付けと、財産分与をした日付けが同日であればどうでしょうか?
答えは「適用できる。」です(財産分与の約束をしてから離婚届を提出した場合など、必然的に同日になりますよね。)。
実際税務署は、事実関係を重要視するので、離婚したことによって財産分与されていれば適用されているようです。
以上一般論なので、実際には税務署等に確認してみてください。
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2018年5月31日 木曜日
列車遅延の責任

今日の二俣川駅でのアナウンス。
最初は、「あぁ、ケンカしちゃったのね。」と思いながら聞いていましたが、
しばらくしてまた、同じアナウンス。
そして、また同じアナウンス。
そしてさらに、また同じアナウンス。
さすがに「駅員さん、相当怒っているなぁ・・・」と聞き耳を立てると、
海老名行きの列車が過ぎた後のアナウンスが、

これには、駅員さんの執念を感じました。
やっぱりケンカはいけません。
駅でのケンカは大きな事故につながります。
ところで、このような場合、ケンカした当事者に対して、鉄道会社は列車を遅延させたことによる損害賠償を請求することができるのでしょうか。
世間でも話題になりましたが、線路内に入ったことにより列車が遅延する事故が発生した事件で、故人の遺族が鉄道会社より不法行為による損賠賠償請求を受けたものがあります。
この事件では、故人に責任能力がないことと、遺族に監督責任がなかったことから、損害賠償請求は認められませんでした(平成28年3月1日最高裁)
ただし、このような事情がなければ、遺族に損害賠償が認められていたと思われます。
ですので、列車遅延を引き起こした場合は、大きな賠償額を支払わなければならないこともあるということです。
駅員さんの繰り返しのアナウンスは、このような事態にならないための警告だったのですね。
納得しました。
マナーを守って、気持ちよく利用したいですね。
投稿者 司法書士塩﨑事務所 | 記事URL